黒帯が解説するブラジリアン柔術テクニック スイープ
「スイープ」について(上から押さえつけようとする人を下からひっくり返すことについて)
「こんなに簡単に人間はひっくり返されるのか」
ブラジリアン柔術を初めて体験したときに強く感じたことです。
それから10数年練習を続けていますが、「人をひっくり返す方法」について未だ興味は尽きません。
ブラジリアン柔術競技は、まず3つの選択肢から始まります。
①上から攻めたい これは、タックルや、投げ技で相手を倒して、上から圧力をかけ続けて相手を関節技や絞技で降参させる方法です。
②下から攻めたい これは、自分から座り込んだり、仰向けになる姿勢をとって、得意な型(ガードポジション)をつくって、関節技(例えば腕十字固め)や絞技(例えば三角絞め)で相手を降参させる方法です。
③下から攻めたい。でも最後は上から攻めたい。 これは、ガードポジションをつくるところまでは②と同じですが、ここから相手の重心を揺さぶり、ひっくり返して自分が上から圧力をかけることができる位置になったのちに、関節技や絞技で降参させる方法です。
①②③の最終的な共通の目標は「関節技や絞技で相手を降参させる」ことです。しかし、自分と相手の体型や筋力、得意な型を見極めながら方法を選択できるところがこの競技のおもしろいところかと思います。
スイープは③の場合に必要な動きになります。
スイープはガードポジションごとにやり方があります。
例えば、
クローズドガードのときはヒップスロー
シッティングガードのときはフックスイープ
片襟片袖ガードのときはシザースイープ
などなど数えきれない組み合わせがあります。
個々の方法は別の機会に書きたいと思いますが、
下から人をひっくり返すうえで大事なことが自分的には3つあります。
①相手の重心の真下に自分が入り込むこと②ひっくり返したい方向のつっかえ棒が効かない状態をつくること③人間は前後左右同時には踏ん張れないことを忘れないこと
そして最後に大事なことをひとつ。
練習を始めたばかりの方は、先輩たちにコロコロ転がされて、心が折れそうになることがあるかと思います。でも、それは全く気にする必要はありません。なぜなら、先輩は動き方を知っていて、あなたは、まだ動き方を知らないだけなのです。そしてご自分のペースで練習を続けていくことで、確実に知っていることは増えていきます。ぜひ、長い目で楽しみながら柔術を続けてみてください。